鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~




 お母さんがお菓子とかジュースとか持ってきてくれて、絖覇は勝手にソファに座ると、あたしの漫画を読みはじめた。



 勝手に来て、勝手に読んで、ずいぶん人ん家でくつげるよね・・・・・・。



 そんな絖覇に呆れながら、あたしは棒状のスナックに手を伸ばす。



 あ、これあたしの大好きなやつだ。


 お母さん、買っといてくれたんだ!



 たちまち笑顔になったあたしは、次々そのお菓子に手を伸ばした。



 けど・・・・・・。



「んぅ!?」


「いただきー♪」



 あたしのくわえていたそのスナックは、反対側から絖覇がかぶりついて、呆気なく奪われてしまった。



 あたしのお菓子・・・・・・!



 しかも絖覇は遠慮なく、あたしの食べたもの、飲んだものに口をつける。



 ほんと、弟みたいだわ。



 
「というか、絖覇。


 何しにきたの?


 また宿題教えて? とか?」



 あたしが呆れて、ジュースを飲むと、絖覇は笑って言った。



< 17 / 445 >

この作品をシェア

pagetop