鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





「んー! 今日の分はこれで終わり!」



 大きく伸びをすると、背骨が悲鳴を上げた。



「結構できたね! りんりんも覚えるの早いもん」


「そんなことないって~。


 そういえば、ずっと疑問だったんだけど、ナトって何歳?」



 だってこんな美少女に変身するし、あたしより勉強できるし・・・・・・。


 高校生のだよ!?


 すると、ナトはフニャリと美少女スマイルを放った。



「えー、10歳かなぁ・・・・・・」



「“かなぁ”? わからないの? 自分の歳」



 えー、違うよ!と彼女は顔の前で手を左右にふる。



「天界とここと時の流れがちょっと違うっていうか・・・・・・だから、ここの時間でいうと私は16歳だよ」



「なるほど」



 変身できるのは、天使の力だろうしね。


 もともとの姿はいつもの少女姿で、その少女姿のほうが力が使いやすいらしい。


 この美少女姿は、高校生になるために変身したんだとか。


 
「じゃあ、何か飲み物持ってくるね。


 お茶でいい?」



「うん!」



「俺も手伝うよ」



「・・・・・・ありがとう」



 絖覇と共に、あたしはお茶を取りにキッチンに向かった。



< 182 / 445 >

この作品をシェア

pagetop