鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
「んー! 今日の分はこれで終わり!」
大きく伸びをすると、背骨が悲鳴を上げた。
「結構できたね! りんりんも覚えるの早いもん」
「そんなことないって~。
そういえば、ずっと疑問だったんだけど、ナトって何歳?」
だってこんな美少女に変身するし、あたしより勉強できるし・・・・・・。
高校生のだよ!?
すると、ナトはフニャリと美少女スマイルを放った。
「えー、10歳かなぁ・・・・・・」
「“かなぁ”? わからないの? 自分の歳」
えー、違うよ!と彼女は顔の前で手を左右にふる。
「天界とここと時の流れがちょっと違うっていうか・・・・・・だから、ここの時間でいうと私は16歳だよ」
「なるほど」
変身できるのは、天使の力だろうしね。
もともとの姿はいつもの少女姿で、その少女姿のほうが力が使いやすいらしい。
この美少女姿は、高校生になるために変身したんだとか。
「じゃあ、何か飲み物持ってくるね。
お茶でいい?」
「うん!」
「俺も手伝うよ」
「・・・・・・ありがとう」
絖覇と共に、あたしはお茶を取りにキッチンに向かった。