鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~


 

 お父さんはどうしても外せない用事が出来てしまい、久しぶりに外へと出かけている。


 たまには外に出ないと、気がおかしくなっちゃうよ。


 気分転換になると言いなぁ。
 

 そんなことを考えながら、青色の硝子のグラスを三つ出すと、氷をいくつか入れ、お茶を注ぐ。


 冷蔵庫を見ると、アイスキャンディーが入っていたのでそれも出す。


 
「お茶は俺が持つよ。 アイスはりんが持って」



「うん」



 カチャカチャと、氷が硝子に当たる音が涼しく感じる。


 そして、階段を上ろうとしたときだった。



──ボン!



「きゃっ」



 突然居間の中央に光が現れ──炸裂した。



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