鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~




 誰だったんだろう。


 そして、何のためにここに・・・・・・。


 それに、お父さんがいないときを狙ったかのように、ピッタリな時間帯・・・・・・。



「りん、りん! 大丈夫か」



 絖覇の声がして、我に返ると彼は呆れたような顔をした。



「上の空だったけど」



「ううん、なんでもない」



「・・・・・・そっか」



 アイスキャンディーを拾うと、それはベタベタに溶けてしまっていた。


 まだ袋の中でよかったぁ・・・・・・。


 食べれなくなっちゃったけど。


 後始末をすると、お茶を持って疑問を抱いたまま、ナトの待つ部屋へと向かった。




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