鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
部屋に行くと、ナトは
「遅かったねー、そんなに時間かかった?」
なんて、呑気に漫画を読んでいた。
気づいていないの?
あんなに激しい爆発があったのに・・・・・・。
しかも、ナトほどの人があの侵入者の霊力を感じ取れないはずがない。
あの人の霊力は──とてつもなく大きなものだった・・・・・・。
「ねぇ、ナト本当に気づいてないの?」
すると、彼女は可愛いらしいきょとんとした顔で言った。
「なんのこと? え゙、もしかしてお茶に何か入れた!?」
「・・・・・・ううん、違うの」
「ナト、聞いてくれ。
今、この家に侵入者がいた・・・・・・!」
絖覇が真剣な表情で言うと、ナトは赤紫の瞳を見開いた。
手に持っていたコップを机に置き、真剣な表情でこちらを見る。
「どういうこと? 私、なにも感じなかった・・・・・・!」
「俺らだってよくわからないんだ」