鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
とにかく、お父さんたちにこの話を早く伝えようということで、案はまとまり、あたしたちは解散した。
そして、空が闇に包まれたころ、お父さんが帰ってきた。
久しぶりのお出かけで、少しすっきりとした表情のお父さんはご機嫌だった。
けれど、それでもあたしは今日あったことを言わなくちゃいけない。
これは、お母さんに関わることかもしれないから・・・・・・。
「お父さん、あのね今日・・・・・・」
「なんだ?」
「ナトと絖覇と宿題やってたとき、突然居間に変な人が現れたの・・・・・・!」
「ッッ!! それは本当か!?」
疲れたのか、ソファーに座り込んでいたお父さんは突然立ち上がった。
その顔は、酷く歪んでいる。
思わず、ビクリと身体が震えてしまった。
「うん・・・・・・顔とか見えなかったから、男の人か女の人かはわかんなかったの・・・・・・。
でも、霊力が凄まじいものだった・・・・・・!」
あの霊力の大きさは、お父さんと同じ──いや、それ以上・・・・・・。
しかも、普通の霊力とは違うオーラを纏っていた・・・・・・。