鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
もう一つの島には、女神のお城と対照的なお城があった。
女神のお城ほど大きくなく、壁はクリーム色。
屋根はパッと目立つ、赤が使われていた。
あっちは・・・・・・?
「あの、白い城──女神の城がある方の島はその白にちなんで俺らの間では、〈白銀の城〉と言われている。
もう一つの・・・・・・〈白銀の城〉の影にある小さめの島は、もとはカレンデュラ王国の島で、こちらも城にちなんで〈琥珀の城〉と呼ばれている」
お父さんが、島を指で指しながら教えてくれた。
〈琥珀の城〉がもとはカレンデュラ王国って・・・・・・?
どういうこと・・・・・・?
「〈琥珀の城〉は、カレンデュラ王国をここに移転させたんだ。
天界も、カレンデュラ王国も同一人物が治めているからな」
「それって・・・・・・アンゼリカさん?」
「ああ」
もうあたしたちは天界の入口に着いていた。
お父さんが頷くと、門がギギィー・・・・・・と音を立てて、開いていく。
わあ・・・・・・。
門の奥を見て、また感嘆の声をあげた。