鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





 島の中央に佇んでいるお城に向かう途中、何度も天使たちとすれ違った。


 翼の生えていない者たちもいるし、あちらこちらを光が飛び回っている。


 もしかして、翼が生えてなかったり、光だったりするのは鈴たちだ。


 カレンデュラと天界は合同になったから・・・・・・。


 皆、あたしたちを物珍しげにこちらを見てくる。


 なんだか、見世物になったみたいで恥ずかしい。


 すると・・・・・・。



「あの・・・・・・」



 灰色の髪をした、灰色の目の女の子の天使に話し掛けられた。



「はい?」



 立ち止まって、彼女の顔を見つめる。


 あたしと同い年くらいに見える彼女は、やはり美少女だった。


 ・・・・・・世の中の不公平さを感じる・・・・・・。


 
「あの・・・・・・あなたはもしかして、鈴姫の子供ですか・・・・・・?」



 あたしよりも小さい彼女は、うるうるとした上目遣いで見上げられた。


 女のあたしでもドキッとしてしまう。



「そうですが、それがなにか・・・・・・?」



 
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