鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~




 そして、〈琥珀の城〉の城に向かって歩き出す。


 〈琥珀の城〉は、天界幹部の私的な場所らしい。


 〈白銀の城〉は、天界のことについてなど、公務をやるための場所らしい。


 あたしたちは、そんな〈琥珀の城〉の城に出入りするのを許されていた。


 城の門番にドアを開けてもらえるように、声をかけかけた時。


 見かけたことのある顔を見つけた。



「──キキ?」



「あ、りん! おはようございます!」


 
 名前を呼ぶと、こちらに気づいた彼女は、パタパタと可愛らしい足音を立ててこちらへ駆けてきた。


 彼女は、薄い水色のワンピースを着ていて、灰色の髪は昨日と同じく下ろしたままだ。


 なぜ、彼女がここにいるのだろう。


 ここは、天界の幹部か、身分の高い者しか入れないはず。


 それか、お手伝いさん?



「キキ、なんでここにいるの?」



「へ? 私は・・・・・・」



 彼女は、もじもじし始める。


 ん?


 どうしたの?



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