鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
「っはあ、はぁ、っ・・・・・・!」
助けを求めて伸ばした手は、宙を切って・・・・・・気付けば意識は自分の部屋に戻ってきていた。
汗でびっちょりと服が濡れてしまっている。
ダルい身体を持ち上げると、カーテンの隙間から日の明かりが漏れていて、もう朝を迎えていることに気づいた。
何だったのだろう。
あたしは“誰か”になっていて、暗い闇の中、苦しんで助けを求めていた。
なんだか、知っている人だったような・・・・・・。
でも、ぼんやりしていて思い出せない・・・・・・。
しばらく悩んでいると、ブルリと身体が震えた。
あ、汗かいてたんだ。
シャワー浴びなきゃな。
何とか身体を動かして、あたしはシャワールームへと向かった。