鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
最初に、一番近い絖覇の家へと向かう。
彼の家はあたしの家から数分もしない場所にある。
──ピーンポーン。
インターホンをならして、彼が出てくるのを待った。
あ、メールしたほうがいちいち出向かなくてよかった?
・・・・・・でも、会いたい。
たとえわずかな時間だったとしても、一緒にいたい。
まだかな~。
ワクワクしながら、待つ。
──一分経過。
──二分経過。
──三分経過。
「だあぁあ! 遅い!」
きっとまた徹夜でゲームでもしてたな?
きっと絖覇のおじさんおばさんは仕事でいないと思う。
えーい! 強行突破!
あたしはガチャリと玄関を開け、勝手に家の中に侵入した。