鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
「・・・・・・ん、りん、りん!」
なに・・・・・・?
頭がガンガンと痛む。
霞む視界の隅で、お母さんがあたしの名前を呼んでいる。
あたし・・・・・・なにして・・・・・・。
気付けばあたしは部屋に寝かされていて、隣には心配そうなお母さんとお父さんとナトがいた。
身体を起こそうとするけど、ダルくて身体が言うことを聞いてくれない。
「ムリしなくていいよ」とお母さんは再びあたしをベッドに寝かせた。
「お母さん、あたし・・・・・・」
「・・・・・・全て、知ったんだね」
「・・・・・・うん」
「あれは全て真実で、本当に起こったことなの。
あたしは、魔物を倒す不老不死の鈴姫という者で、千と戦っていたの。
昔はあたしも霊力を持っていた。
でも、天界の戦いで失った」
お母さんは苦しそうに、あたしの見た真実を語ってくれた。