鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
「そっか、ありがとう。 教えてくれて」
「うん。
あ、また屋敷行こうよ。
お茶飲んでって・・・・・・!」
見事な十二単を翻し、曾爾は、立ち上がった。
よくこの格好で、屋敷からここまでこれたな・・・・・・。
やっぱり、不老不死の力?
あ、曾於の瞬間移動の力か。
「うーん・・・・・・ムギもいなかったし・・・・・・お言葉に甘えさせてもらいます」
「じゃ、決定!」
再び曾爾に明るい笑顔が戻った。
よかった・・・・・・。
さっきの曾爾は、悲しそうな顔しかしていなかったから。
「おーい! 曾於、ナト、つかさ兄ちゃーん!
お茶しに行こ!」
曾爾が、笑顔でそう叫んだときだった。
──ピク。
曾爾と曾於が、同時に動きを止める。
「え、どうし」
「シッ」
突然の出来事に、口を開いた伯を曾於が威圧感で制止させた。
これは・・・・・・!
「出たようね」
「そうだね」
たちまち、双子は真剣な顔つきになる。
そして、次の瞬間、双子は光に包まれた。