鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
──パンッ!
光が弾けると、そこには青い髪をなびかせ、黄緑色の瞳を強く輝かせる変身した双子の姿があった。
さっきまでの幼いあどけなさなどは、すっかり消え去り、もう『不老不死の番人』の顔になっている。
「どの辺に出たの?」
「この方角・・・・・・南西よ」
「屋敷とは、逆の方だ」
「りんりん、私たちも行こう!」
早くも意見が一致し、みんなが戦闘態勢に入った。
「え、出たって・・・・・・魔物か?」
一人だけ・・・・・・伯は驚いた表情をしている。
「それ以外、ある!?」
「いや・・・・・・」
「怖いの!? 恐れているならやめておいた方がいい!」
「いや・・・・・・俺は行く!」
強く拳を握りしめ、伯は叫んだ。
大丈夫そうね。
「りんりん! 早く!
曾爾と曾於は曾於の力でもう行ったよ!」
瞬間移動の準備をしていたナトが叫んだ。
先に行っちゃったか・・・・・・。
でも、あの双子なら大丈夫!
「ほら、早く! 伯! 掴まって!」
「ッッ!」
伯の手を掴み、縺れ込むようにしてあたしたちは瞬間移動した。