鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





「大丈夫?」



 そういって、誰かに立ち上がらせてもらった。


 あ・・・・・・。


 それは、伯だった。


 伯の背後には、倒れ込んだ魔物がいる。


 あ、伯が守ってくれたんだ。


 そのとき、ようやく事態を理解した。

 
 油断していたあたしの背後に魔物が迫っていて、それを伯が霊力で攻撃してくれたんだ、と。


 まさに、油断大敵だった。



「ゴメン、ゴメン。 ありがと」



「いーよ、いーよ。


 霊力で魔物を攻撃する方法がおかげでわかったし」


 
 そういうと、彼は魔物と向き合った。


 これは、伯一人にやらせた方が良さそう。


 初めての戦いだしね。


 他の魔物も、双子の番人によってほとんど狩り尽くされていた。


 あちらこちらには、雪と光が舞っているだけ。


 やっぱりすごいね、双子。




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