鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
女神の移し身
ウソ・・・・・・。
そんなの、信じたくない。
そんなの、ウソだ。
悪い夢なんだ。
ギュッと目をつぶって、念じるけど、目を開けば冷たい無表情を浮かべた絖覇がそこにいる。
ナトも、伯も、絶句していた。
「俺は、女神の移し身だった。
このペンタグラムの光が、何よりの証拠だ」
やめてよ、そんな冗談。
そんな、聞いたことのないような、冷たい感情のない声で言わないで。
「っウソだよ!」
なんとか、声を搾り出し叫ぶけど・・・・・・。
「ウソではない」
そう、冷たく返された。