鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
本当の心 ─絖覇Side─
俺は森の中を進んでいた。
りんたちが、過去へと行ったと過去にいた魔物から伝令を受けた。
俺が、女神の移し身だと気づいたときから、意識に魔物が話しかけてきた。
気付けば俺は、魔物の意思がわかるようになった。
嫌だ。
俺は、女神の移し身なんてなりたくない。
俺は、俺なんだ。
心の奥にあるブラックホールのような女神自体の意思に引き込まれそうになる。
何度も、何度も、飲み込まれかけた。
それでも、俺が俺でいられたのは・・・・・・。