鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





 身体の中に女神という、悪の種を抱えながら、それでも幸せな生活をしていた。


 そんなある日、りんの母親──すずかさんが眠っているのは、女神の移し身のせいだということを、天界の女王、アンゼリカさんに言われた。


 本当か・・・・・・?


 俺の、せいで、すずかさんが・・・・・・?


 りんのために、すずかさんを目覚めさせようと頑張っていた矢先のことだった。


 途端に、自分自身が怖くなった。


 それでも、なんとか女神に飲み込まれなかったのは、やっぱりりんのおかげだった。


 それでも・・・・・・。


 しばらくすれば、俺はおかしくなっていた。



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