鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
「それに、絖覇自身の意見も聞いてみましょうか」
「え・・・・・・?」
ほら、とアンゼリカさんは俺を顎で指した。
ここで言えば・・・・・・。
グッと決意を決め、俺は裁判長を見つめた。
「俺は・・・・・・女神の意識に操られ、俺自身の意思はなかった。
俺は、世界を征服する気はない。
俺は、いつまでもりんの傍にいたい」
「絖覇・・・・・・」
「ほら、大丈夫ですわ」
「う、えと・・・・・・」
アンゼリカさんが自慢げに言うと、さすがの裁判長も黙ってしまった。
「これで裁判は終わりだわ!
さあ、帰りましょ」
自由気ままな女王は、勝手に裁判を終わらせてしまうと、彼女は幹部たちを連れ、さっさと帰ってしまった。
それを見た野次馬やら、陪審員らしき人たちは、帰ってしまった。
俺も、りんを連れて外へと出た。