鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~




 ったく、わかんないならもう一回言ってやる。



「俺は、りんが好きだ。


 ずっと、ずっと、前から、好きだった」



 耳元でそう、囁いた。


 もちろん、わざとだ。



「なななななな・・・・・・!」



 すると、予想通り、りんは言葉にならない声を出して慌てた。


 顔、真っ赤で林檎みてぇ。



「りんは? どうなの?」



 わかってるけど、りんの口から聞きたい。



「あたしは・・・・・・」



 もじもじとしていて、なかなか言ってくれない。


 あー、もう。


 これは、奥の手を!



「言わねぇと、キスすんぞ」



「っ!? え、やだ!」



 途端にりんは、俺の手から逃げようと暴れ出す。


 やだ!って・・・・・・やだって、ショックなんですけど!?




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