鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





 さっきは絖覇を助けようと必死だったけど・・・・・・。


 よく考えたらあたし、自分からキスしちゃったし!


 あー、もう!


 なにやっちゃったんだろう。



『わかったわ、ぜっったい言わない!』



『頼んだぜ』



『どうしたんスか?』



『いいいいいえ! なんでもないでっす!』



『早く行きましょう! アンゼリカさん待たせちゃってると思うんスけど』



 キョトンとした顔で天使さんがこちらを覗き込んできたため、あたしたちはパッと素早く離れ、否定した。


 慌てすぎて言葉遣いがおかしなことに・・・・・・。


 とにかく、いくらアンゼリカさんたちに聞かれても、ぜっったい言わないんだから!


 強い決心を胸に、あたしたちは〈琥珀の城〉へと向かった。





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