鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
 




 さっき、城へ入るなり、あたしと絖覇は別々の部屋に引きずり込まれた。


 たぶんそっちでは、ロイルさんとお父さんの質問ぜめだろう。


 お父さん、ヘンなこと言わないでね・・・・・・。


 ハッ!


 今になって思い出した!


 あたし、お父さんの前で絖覇とキスしちゃったよー!


 結婚式じゃないんだから!


 あー、恥ずかしいよぉ。



『りん? 大丈夫か?』



『・・・・・・!』



 ナディーンさんの声が、背中に当たる。


 あたしは、恥ずかしさで悶絶していた。





 結局その日あたしたちは、一日帰してもらえなかった。





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