鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





 もしかして・・・・・・と思った。


 ムギが話したいことって・・・・・・ずっとあたしたちに隠してたこと・・・・・・?


 いつも、時折見せていた儚げな表情の意味を・・・・・・知ることができるの?


 そう思うと、なんとも言えない気持ちが全身を駆け抜けた。




「──来た」



 お父さんのその声に、緊張が高まった。



──パァア。



 リビング中にまばゆい光が溢れて、思わず目を閉じた。



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