鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~




 ようやく目が光に慣れてきたとき。



「久しぶり」



 澄んだ鈴のような声が、まだ光の粒子がキラキラと輝いているリビングに響き渡った。


 すると、光が弾けた中央に、彼女はいた。



「ムギ・・・・・・」



「りん、久しぶりね」



 本当に久しぶりだ。


 何かと理由をつけてすれ違っていたから。


 彼女はいつもと雰囲気はまるで変わらず、その優雅な雰囲気に飲み込まれてしまいそうになる。



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