鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





「今日はどうしたんだ? 


 急に用があるとかいって・・・・・・なにか重要なことでもわかったのか!?」



 お父さんが慌てたように言うと、ムギはゆっくりと頭を左右に振った。



「ごめんなさい・・・・・・すずかのことについてじゃないの。


 でも、関係はしてるかもしれない。


 私が今から話すのは、ずっと、ずっと、誰にも言わず、隠してきたことなの・・・・・・」



 ムギらしくない、か細い声は、静まり返ったリビングにやけに響いた。


 隠してきたこと・・・・・・。


 やっぱりムギは、あたしたちに隠し事をしてたんだ・・・・・・。



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