鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~








 しばしの沈黙が続く。


 ムギはようやく少し、息を吸うとそれを押し出すように語り出した。



「私はね・・・・・・過去に誰にも言えないような・・・・・・大罪を、犯したの」



 大罪・・・・・・?


 誰にも言えないような・・・・・・って、どれほどのことなの?


 しかも、ムギが・・・・・・?



「それって・・・・・・どんな・・・・・・?


 しかも、それをあたしたちに言ってもいいの・・・・・・?」



 何とか、口を動かし声を絞り出す。


 ムギは、苦笑いを浮かべた。



「──ええ。


 りんたちには、知っていてほしいから・・・・・・。


 長い長い話になるけど・・・・・・聞いてくれる?」



 あたしはゆっくりと首を動かし、頷いた。



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