鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





 それでも、感情を持たない彼女には、何も感じない──。


 そうして、孤独な時が何百年と過ぎていった・・・・・・。


 そして、何百年と過ぎた頃──それは突然だった。





 彼女の前に、初代『番人』が現れたのは。


 


「初代・・・・・・番人・・・・・・?」



 それって・・・・・・まさか・・・・・・?


 ムギを見ると、彼女は頷いた。



「そう、すずかと千と一緒の番人・・・・・・。


 もちろん、その頃から女性は姫。


 男性は、その召し使いだった」



 
 男性の名前は──彰(しょう)さんといった。


 姫は──淀(よど)さんといった。




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