鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
その日から、ムギの生活はガラリと変わった。
ムギがいつも世界を均衡に保つために祈りを捧げていた祠に、彼女たちは毎日のように訪れていた。
ムギにとっては用もないのに毎日毎日やってくる彼女たちが、不思議で仕方なかった。
それでも、彼女の中では少しずつ、何かが変わっていったんだ。
氷の心が、溶かされていくように・・・・・・。
特に、彰さんと会うと、心が踊った。
こんな感覚初めて・・・・・・。
そして、知ってしまった。
────『恋』というものに。