鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





 その気持ちに気付いてしまったムギは、後悔した。


 彼女は、恋をしてはならなかったから。


 ムギは世界を守る守護神のような存在だ。


 彼女が自分自身のためだけに、自分の気持ちに素直になって、任務を放棄してしまえば、世界は滅びる。


 自分だけのために、何かをしてはならない。


 それが、世界を守る者の誓い────。


 


 でも──。






 『この気持ちに、嘘はつけない』






< 302 / 445 >

この作品をシェア

pagetop