鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
煙が晴れると、その奥から人影が現れた。
誰・・・・・・?
この前のことがあったから、全員の緊張感が高まった。
そして、同時に立ち上がると、お母さんのいる部屋へと続くドアへ近づけさせないよう、三人で壁を作る。
何なの・・・・・・?
現れたのは、長くて白い髭の老人だった。
・・・・・・仙人・・・・・・?
じゃなくて、何なの・・・・・・!?
「──あなたは、何者ですか・・・・・・?」
彼は、こちらを見ると、目を細めた。
「──ほほう、誰、か・・・・・・。
そうじゃな・・・・・・“神”とでも、言っておこうか」
神・・・・・・?