鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~






 意味がわからない。


 このおじいちゃん、ふざけてる・・・・・・ワケ・・・・・・?


 そんな疑問が頭に浮かんで、周りを見渡した。


 けど、お父さんもムギも真剣な顔つきだ。

 
 
「神・・・・・・この世界を作ったものか・・・・・・!

 
 ここに、なんの用だ・・・・・・っ!」


 
 お父さんはそう言うと、苦しげに顔をしかめ、霊力を高めさせる。


 この世界を作ったようなすごい人が、なんでここに・・・・・・。


 突然の驚きに、身体が思うように動いてくれない。



「・・・・・・ふむ、そなたが番人だった千か・・・・・・」



 おじいちゃん──いや、神様は、のんびりと自分の胸くらいまで伸びている白い顎髭を撫でている。


 いやいや、のんびりとしすぎでしょ!?


 せめて質問に答えてーっ!


 そう、心のなかで神様に突っ込みをいれた。



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