鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
彰さんを選んだことを、ムギは神様に伝えに行ったんだ。
ムギを造りだした、神様にわかってほしくて。
『申し訳ございません。
私は、自分の任務を捨て、彼を選びました』
『──そうか、やはりな。
しかし、どうする?
このまだ出来たばかりて、不安定な世界は、そなたの力によって平和が保たれていたようなものだ。
わしが、世界を守りたいが、わし一人では手が周りきらないところが多い。
そこをそなたに補ってもらっていた。
そなたがいなくなれば、間違いなく近い未来、この世界は跡形もなく、崩れ去る・・・・・・!』
『・・・・・・確かにそうでしょう。
そこで、提案があります』
『提案、じゃと? それはどんなことじゃ』
『──新たに、私のような者を造ることです』
『なに────!?
それは、出来ないことはないが・・・・・・』
『ならば、早急に造りだしてください。
第二の奇跡の力“伝説の鈴”を・・・・・・!』
『そなた、正気か!?』
『はい』
『もし、そなたと同じ伝説の鈴を造れば、そなたと同じような思いをするものがさらに現れるのじゃぞ!?
それでも、いいと言うのか、伝説の鈴よ・・・・・・!』