鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~




 彰さんを選んだことを、ムギは神様に伝えに行ったんだ。


 ムギを造りだした、神様にわかってほしくて。


 
『申し訳ございません。


 私は、自分の任務を捨て、彼を選びました』



『──そうか、やはりな。


 しかし、どうする?


 このまだ出来たばかりて、不安定な世界は、そなたの力によって平和が保たれていたようなものだ。


 わしが、世界を守りたいが、わし一人では手が周りきらないところが多い。


 そこをそなたに補ってもらっていた。


 そなたがいなくなれば、間違いなく近い未来、この世界は跡形もなく、崩れ去る・・・・・・!』



『・・・・・・確かにそうでしょう。


 そこで、提案があります』



『提案、じゃと? それはどんなことじゃ』




『──新たに、私のような者を造ることです』



『なに────!?


 それは、出来ないことはないが・・・・・・』



『ならば、早急に造りだしてください。


 第二の奇跡の力“伝説の鈴”を・・・・・・!』



『そなた、正気か!?』



『はい』



『もし、そなたと同じ伝説の鈴を造れば、そなたと同じような思いをするものがさらに現れるのじゃぞ!?


 それでも、いいと言うのか、伝説の鈴よ・・・・・・!』




< 314 / 445 >

この作品をシェア

pagetop