鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~







 神様はあたしが突然叫んだことに、呆気にとられていた。


 けれど、何度かパチパチとまばたきをした。


 そして、苦しげに笑った。



「確かにな、わしはひどいことをした。


 でも・・・・・・」



「でも・・・・・・?」



「望んだのは、他でもない──彰じゃ」



「えっ・・・・・・」



 そう呟いたのは、あたしとムギ、どちらだったのか。


 とにかく、衝撃を受けた。


 彰さんはムギに、自分から力をあげると言ったの・・・・・・?


 どうして・・・・・・?


 彼だって、不老不死の番人だ。


 力がなければ、世界を守ることは出来ないのに・・・・・・。



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