鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





「なにを、言って・・・・・・さすがに冗談はキツイわ。


 それに、あたしは覚えていないわ。


 力を奪ったなんてそんなこと・・・・・・」



「だから、力を奪うしかなくなってしまったムギは、力を奪ったあと、自ら自分自身の記憶を消したんじゃ。


 その番人たちとの記憶がなければ、苦しまなくて済む。


 それを、何度も繰り返してきたんじゃ」



 笑って言ったムギに対し、神様は冷静に返す。


 ムギの表情はだんだんと固まり、ついに血の気を失う。


 だから、番人たちとの記憶がないの・・・・・・?


 それに、すべての番人たちから力を奪っていたとしたら・・・・・・。


 番人たちが謎の消失をしていた理由も頷ける。



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