鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





「それを、繰り返して、わしは番人を何度も生み出した。


 いつもムギは記憶がないため、番人たちと仲良くなり、そして・・・・・・いつも泣きながら力をもらっていた。


 番人たちも、優しいから・・・・・・抵抗しなかったんじゃ」



 なんで・・・・・・。


 どうして・・・・・・?


 もう、その言葉しか出てこない。


 ガンガンと頭を殴られたような痛みが襲ってくる。



「それなら・・・・・・お母さんは・・・・・・」



「すずかは、もう番人ではない。


 しかし、鈴姫と千が番人だったとき、二人ともムギが力を奪う前にいなくなった。


 つまり、その頃からムギの力は弱まっていた。


 女神を倒すときは、長い間すずかといたため、力は補給されていたんじゃ・・・・・・。


 しかし、今となりムギの力はほとんど消滅している。


 だから、力を使えなかったんじゃ。


 そして、ムギは無意識のうちに、強引にすずかの力を奪っている。


 だから、今すずかは眠りつづけているんじゃ」




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