鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





 あたしは、強く頷いた。



「もしかしたら、ムギは・・・・・・何かをしてしまうかもしれない。


 自分を責めたことによって我を忘れ、暴走している・・・・・・!!」



「それじゃ、ムギは・・・・・・!」



 絖覇が何かを言いかけたときだった。


 
「グォワアァァァァッ!」



 現実とかけ離れた、聞き覚えのある声が、耳に届く。


 この声・・・・・・!


 まさか、そんな・・・・・・!



「魔物か・・・・・・!!」



 お父さんが叫び、あたしたちは外へと飛び出す。


 外の世界はもう、あたしたちの知っている町ではなかった。


 全てのものが、時間が止まったように動きを止め、色さえも失い青く変色している。


 あたしたちの家も、青色に染まっていた。


 なにが、起きているの?



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