鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
「あそこ!
魔物の気配がするの!」
「うん、早く行かないと大変なことになりそう。
りんりん、気をつけてよ」
「うん!」
ナトはパチンと指を鳴らした。
途端に目の前の景色が変わり、魔物が現れる。
瞬間移動したんだ!
魔物はこちらに気づくと、その手を大きく振り上げた。
それを身を翻して避ける。
魔物の手は、あたしからわずか30cmのところにめり込んだ。
うわ・・・・・・早い!
お母さんの記憶で見てたけど、あたしはお母さんと違って不老不死じゃないから迂闊に攻撃されたら、どうなるかわからない。
でも、あたしは運動うまくないし。