鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





 数千、体・・・・・・?



「なにそれ、本当なの?」



「だって、こんなに強く気配感じたのは初めてで・・・・・・身体の震えが止まらないの」



 言葉の通り、ナトは自分の身体を自分の腕で、抱きしめている。


 数千体だなんて・・・・・・。


 今まで最高でも、十数体くらいだったのに・・・・・・。


 どうしていきなりそんな数、現れたの?



「・・・・・・!


 この世界と影の世界を繋ぐ『扉』が、全て破壊されている!


 今まで、影の世界に封印されていた魔物が、押し寄せて来ている・・・・・・!」



 押し殺したようなお父さんの小さな声が、静まりかえった世界にやけに大きく響いた気がした。



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