鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





 そんな・・・・・・!


 それでも、驚いているヒマはない。


 次々と影の世界から溢れ出てくる魔物の雪崩は止まらないのだから。


 今は、一刻を争う事態。


 早く一体でも多くの魔物を浄化させないと・・・・・・!



「どうする!? 魔物を浄化できるのはりんと、俺しかいない!


 それでは、間に合わないぞ!」


 
 二体の魔物を、霊力で一気に吹き飛ばしたお父さんが、汗を流しながらグチをこぼした。


 確かにそうだ。


 ナトとナディーンさんと、絖覇は霊力を持っていても、魔物を攻撃するしかできない。


 どうしよう・・・・・・。


 
──ガガガッ!



 霊力を弾にして、迫って来る魔物を弾き返す。


 考えている間にも、魔物は襲ってくる。


 っ、どうにかならないの・・・・・・っ!?




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