鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





 しばらくして・・・・・・。


 そのしばらくさえも、永遠のように感じてしまう。



「りんりん!」


 
 来た・・・・・・!



「話はナトから聞いたよ!」



「それより、これは現実なの・・・・・・?」



「来てくれて、ありがとう!


 曾爾、曾於!!」



 そう、ナトの後ろから現れたのは、お母さんたちの一代前の番人、曾爾と曾於の双子だった。


 彼らはもう、青色の髪に、黄緑色の瞳という、戦闘体勢に入っている。


 曾爾は雪華を手に──曾於は、何枚ものお札を手にしていた。


 曾爾は、はらはらと雪を自分の周りに降らせていた。


 その雪が、地面に落ちるたび、そこからジュワリと音がして、光が弾けた。



「とにかく、この魔物を倒さないと、ムギに会えないの。


 だから・・・・・・!」



「「分かった」」



 双子は、キュッと表情を引き締めると、それぞれの武器を構えた。



「とにかく、魔物を浄化してからってことだよね!!」



「今は、そのことだけ考えよう!」



 それぞれ叫ぶと、魔物へと向かっていった。


 ありがとう・・・・・・曾爾、曾於・・・・・・。


 ジワ・・・・・・と涙が滲んできて、慌てて引っ込めた。


 今は、泣いてるヒマはない!



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