鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~






 なにが・・・・・・起こっているの・・・・・・?


 ようやく光に目が慣れてきたとき。


 恐る恐る開いた目に飛び込んできたのは・・・・・・。



「──ムギ!」



 たった今、捜していた、ムギだった。


 彼女は、空に浮いており、煌々(こうこう)とまばゆい太陽のように輝いている。


 闇の中に、突然太陽が現れたようだ。


 けれど、目を凝らして見ると・・・・・・。



「ッッ・・・・・・!」



 ムギの小麦色のはずの瞳は、魔物化したことを表す、紅色だった。



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