鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
「りん・・・・・・」
「・・・・・・なに」
絖覇は、突然あたしの手を優しく包み込んだ。
彼のキレイな、マゼンタの瞳を見上げる。
「りん、お前は、俺が必ず守る。
だから、お前はお前のやりたいようにやれ」
「ッッ!!」
彼のその言葉だけで、胸がいっぱいになってしまう。
絖覇にそんなこと言われたら・・・・・・あたしはなんだってできる気がしてしまう。
愛する人の言葉は、こんなにも、力を与えてくれるんだね。
「ありがとう・・・・・・絖覇」
──チュッ。
あたしは、お礼として、彼の横顔にキスをした。
そして、柔らかく微笑む。
「あたしも・・・・・・。
あたしも、絖覇を守るよ」
弱いあたしには、何もできないかもしれないけど。
それでも、守ると誓うよ・・・・・・。
「・・・・・・ああ」
彼は、優しく笑った。
そして、フワリと羽根のような口づけを、あたしの唇に優しく落とした。