鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





 ムギはただ、空の高いところで浮かび上がったまま、光を放っているだけのように見える。


 なにがしたいの、ムギ・・・・・・?


 なにかを、企んでいるの?


 ムギの浮かんでいる場所は、ちょうどあたしたちの学校の真上。


 あたしたちは、学校へと歩みを進めていく。


 今あたしたちが歩いているのは、学校から1キロメートルほど離れたところだった。


 キラキラと輝くムギから、どうしても目が離せず、彼女を見つめたまま、学校へと向かう。


 ずっと歩いている道だもん。


 あまり見なくたって、迷わず行ける。


 ムギ・・・・・・。



──バチッ!



「っぁあ゙!!」



「りん! っく!!」





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