鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





 バチバチと、まだ身体がさっきの反動で放電している。


 身体が・・・・・・痺れる・・・・・・!


 絖覇がそう言った通り、目を懲らして見ると、透明な薄い結界がムギを中心にして張り巡らさせれていた。


 あの薄さなのに、あの強度・・・・・・。


 やっぱり、ムギが張ったものなの・・・・・・?



「どうしよう・・・・・・!」



 結界がある限り、ムギに近づけない。



「結界を、破るか?」



 あたしを降ろした絖覇が、結界に歩み寄り、結界に手を当てると霊力をそれに送った。



「っ! ムリか・・・・・・」



 そして、顔をしかめながらすぐに手を引っ込めた。


 彼の手は、静電気を帯びている。


 きっと、結界が反発したんだ。


 
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