鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~




 ポウッと身体を淡い光が包み込む。



 温かくて、優しい光・・・・・・。



 懐かしくて、泣きたくなるような・・・・・・。



 ぼんやりとした視界の中で、魔物を見上げた。


 
 強く降り注ぐ光の雨の中で、魔物はもがき苦しんでいる。


 
 ゴメンね。



 あなたの為には、こうするしかないの。




 そのとき。



「ぅ、ガアッ!」



 ヤバイ。


 魔物の手が、あたしの上に振り下ろされる。



 一瞬の出来事で、あたしは身動きが取れなかった。


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