鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~
──バチバチッ!
えっ?
身体への衝撃はなく、代わりにスパーク音が鳴り響く。
視界に飛び込んできたのは、魔物の腕と、あたしの周りにある不思議な膜の光。
その不思議な膜が、魔物の腕を押し止めている。
これは、なに?
「りんりん!」
ナトの叫び声が聞こえて、気付けばあたしはナトの力で瞬間移動していた。
「大丈夫?
なにがあったの?」
自分でもわからない。
ナトは冷や汗をかいているのか、おでこを手の平で拭った。
魔物はまだ、浄化されてない。
けど、まばゆい光のせいで失明したのか、ただ呻いて辺りを破壊し始める。
余計に苦しませてしまった・・・・・・。