鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~




 側にあった家や建物は、竜巻が直撃すると、無残に崩れ落ちていく。


 建物のガラスが割れ、それが雨のよう降り注いだ。


 危ない!


 (防御・・・・・・!)


 慌てて霊力で結界を作り、降り注ぐガラスの雨からみんなを守ろうとする。


 けれど、みんなを守ろうとすると、霊力の壁は濃度が薄くなり、強度が落ちてしまう。



──バリィイィィン!!



「くぁっ・・・・・・!」



 堪えきれなかった結界は、バリバリとヒビが入ったかと思うと、吹き飛ばされた。


 あたしも同時に吹き飛ばされる。


 
「ぐっ!」



 そして、木の幹に叩きつけられた。



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