鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~




 ただその罪悪感だけが、心の中で渦巻く。


 待ってて。


 すぐに助けてあげるから!



 あたしは立ち上がると、まっすぐ暴れている魔物に向かって右手を向けた。


 今度こそ、一発で!


──シュアアァァア!


 光の雨が再びこの公園に降り注ぎ、魔物は浄化され、破壊された公園ももとに戻った。


 よかった・・・・・・。


 うまくいった・・・・・・!


 気付けば隣にナトがいて、優しい微笑みを浮かべていた。


 
「うまくいってよかったね」



「うん」



 本当によかった。


 ちゃんとあたしにも、魔物を浄化することは出来たんだ。


 お母さんと同じように、出来たのかな?


 そんな不安も少しあるけど、それでも初めての勝利は嬉しかった。



「帰ろっか」



 ナトはいつもの格好から、学校の美少女スタイルに戻ると、あたしの横に並んであたしの家を目指した。



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