鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~





「ムギ、もう頑張らなくていいんだよ。


 自分の幸せを考えてよ・・・・・・」



「りん・・・・・・」



「お願いだから・・・・・・。


 ムギはもう、充分頑張ったじゃない」



 ムギは、あたしの言葉に固まってしまう。


 そして、攻撃を止め、泣き崩れる。



「じゃあ、どうすればいいの?


 私にはもう、この魔物を止められない。


 『扉』を閉めることもできない・・・・・・」



「それは・・・・・・」



「ならば、ムギが犠牲になるしかない」




「ッッ!」



 そう言ったのは、間違いなく、厳しい顔をした神様だった。


 ムギが犠牲になるって・・・・・・。



「正気ですか!?」



「わしはいたって正気じゃよ」



「じゃあなんでムギが犠牲になるしかないなんて・・・・・・」




 意味がわからないよ!



 
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