鈴姫戦記 ~ふたつの悲しい恋物語~



 この時のあたしは、完全に浮かれきっていて状況を把握しきれていなかった。



 本当にあたしはバカだったのかな──。



 
 
「ただいま━━!」




 上機嫌で家のドアを開け、真っすぐお母さんの元へ行く。



 魔物をちゃんと浄化出来たこと、一番にお母さんに報告するんだ~。



 鼻唄なんて歌いながら、居間のドアを開く。


 
 ナトも、後ろから入ってくるとあたしに続いて居間に入った。








「──えっ・・・・・・?」






 思わず、その光景に目を疑った。






「うそ・・・・・・」





 ナトが顔を青ざめ、口を両手で塞いだ。



< 40 / 445 >

この作品をシェア

pagetop